ベルディンのこころ。

 

闇に選ばれし魔女―マロリオン物語〈4〉 (ハヤカワ文庫FT)

闇に選ばれし魔女―マロリオン物語〈4〉 (ハヤカワ文庫FT)

 龍駆的にはこの巻で一番のお気に入りは、メルセネでオトラス大公の奥さんとのやりとりです。ユーモアではなく、ベルディンの思いやりというか、奥さんに対する同情というか、そういうのが一見異形で口の汚いベルディンの中に秘めた大いなる愛を感じるのです。
 ベルガラスもベルガリアードの4巻だか5巻で魔女ヴォルダイの願いを聞いてあげて、ガリオンがベルガラスの愛を知るわけですが、このシーンはそれに対応するものじゃないかな、と思っています。
 ベルガリアードやマロリオンはユーモアに満ちたシーンが多いのですが、こういったシーンにはエディングス夫妻の作家としての深さを感じます。
 
 アルダーの弟子たちはやはり師に似て愛に満ちているのですね(笑